「介護施設の選び方が分からない」
「たくさんの項目が有ると、見学でも調べきれない」
このようなお声にお応えして、この記事をお届けいたします。
今回は、見落としがちなポイントだけに絞って、「介護施設の選び方」をご紹介します。
サービスの多さや豪華さではないポイント
入居系の介護施設においても、ご自宅訪問系・施設への通い系の介護サービスであっても
重要なポイントは、共通しています。
それらは決して、介護サービスの種類の多さや、豪華さではありません。
むしろ、多くの選択肢から選び抜く事が強いストレスになる事もあります。
特に、介護サービスというものは、認知症になったご本人が選択する場合と同様に
サービスを受けないご家族が選択せざるを得ない場面も多く発生します。
その為、選んだ結果としてご本人が満足されているかどうかが分からないという問題が発生します。
また、ご本人が介護サービスを受けている場面を、ご家族が見る事が無いという特徴もある業界なので、良否を判断しづらいという特徴があります。
上記の事を考えると、良い介護施設・介護サービスを見極めるポイントは、本当は多くないのです。
そこで、敢えてポイントを絞ってお伝えします。
柔軟な変更に対応できるか
重要なポイントの一つとなる内容、それは色々な申し出やお願いに対する変更が柔軟にできるかどうか、です。
基本的に介護サービスとは、厚生労働省が定めたルールや、他省庁の規制や市町村の基準に従って運営する方式です。
つまり、大枠のルールが定まっている中で、ある程度だけ企業ごとの裁量で決められる部分が残っているとご認識いただければ、大きく間違ってはいないでしょう。
そこでは、ご本人とご家族が望んでも実現できない事が発生します。
例えば、ご自宅にヘルパーが来てお掃除をする場面では、単純にお掃除だけをしているのではありません。
お掃除と整理整頓を通して、ご本人が衛生上快適で清潔な生活を送り、感染症予防や転倒事故予防を行うのが介護サービスの本筋です。
従って、ご本人が使用しないお部屋(例えば2階の子供部屋)の掃除はできません。
このような場面に立ち会った際、どのような介護サービス業者を選ぶべきでしょうか?
間違っても、内緒でルールを破る業者を選んではいけない
柔軟な対応と、ルール違反は異なります。
正しくルールを守りながらも、ご本人にとって最善の生活を追求する方法を
一緒に考えてくれる介護サービス業者を選ぶことが必要です。
柔軟に変更することはできないのか?疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は「介護サービスの中身」を変更するには、非常に多くの手間が掛かります。
介護サービス業者だけでなく、複数の業者間調整を必要とし、契約内容の変更には膨大な書類作成と再申請が求められます。
つまり、「柔軟な変更」を正しい手順で実施する事が頻発すると、介護現場が疲弊する原因となります。
実際に、変更を嫌がる介護サービス業者も存在します。
毎月同じ介護サービスを、何年も継続している事例も実際には存在します。
介護サービスを受けるご本人が認知症であれば、内容の良し悪しの判断が付かないという場合も多く、ご家族も面会時に深い内容まで見抜けない為、変更せずにいる事例はひょっとしたら皆様の想像以上に多いかも知れません。
まとめ
今回は、介護施設の選び方と題して、重要なポイントの一つ「柔軟な変更」についてご紹介しました。
あなたの生活に、介護が突然やってきても対処できるように、介護の実際をお伝えして参ります。どうぞご愛読くださいますようお願い申し上げます。
参考資料
介護サービス情報公表システム 訪問介護(ホームヘルプ)- 厚生労働省
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group2.html
訪問介護サービスの生活援助の取扱いについて
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kaigi/050412/dl/9-3.pdf
介護保険で利用できるサービスの種類 東京都大田区
https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/fukushi/kaigo/minnanokaigohoken.html
岡山市の介護施設 管理者兼介護職員
現役介護職として現場と管理者を担当
MBA(経営学修士)
PUROPOSE:本気の大人をつなげる
MISSION:居場所と生きがいを作る
VISION:お世話の輪の有る社会を創生
VALUE:医療介護従事者と患者様/ご利用者様の真の幸福を追求する
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