自宅介護にかかる費用って?現役介護職が紹介

親の介護

ご家族に介護が必要となったとき、実際に介護費用がどの程度かかるのか困惑する方は多くおられるのではないでしょうか。

一言で介護費用と言っても、自宅で介護する場合と施設を利用する場合では、大きく異なります。

 

本記事では、介護費用に対して使用できる制度や自己負担額についてご説明していきます。まずは、介護費用の内訳を把握しておくことが重要です。

 

大まかに介護費用についてご説明すると

  • 介護度や所得に応じて介護費用は変動する
  • 自宅介護は経済的な負担は軽いが、介護者に多くの負担がかかる
  • 介護の方向性は経済面の他に、様々な面から決めるべき

 

それでは詳しくご説明していきます。

 

□介護年数と平均費用

 

自宅で介護を始める際にかかる費用の平均は約69万円です。

月額費用に換算すると、平均は約7.8万円になります。

 

これは「公益財団法人 生命保険文化センター」による生命保険に関する全国実態調査平成

30年の報告です。

 

自宅介護をする場合は、介護者やご本人が快適に介護生活を行える環境に整える必要があります。

そのため、リフォーム料金や介護用品の料金が初期費用の内訳に含まれます。

 

また、公益財団法人 生命保険文化センター調べによる介護年数の平均は4.7年です。

上述した月額費用を平均年数の5年間支払い続けると総額で約500万円必要になる計算です。

 

この費用はあくまでも平均的な数値であり、人によって異なります。

 

□介護費用が大きくなるケース

 

介護度や所得、介護者の有無によって介護費用は異なります。

要介護度が高い場合、使用するサービスの頻度は増え、必然的に介護費用は上がります

 

また、利用者の所得に応じて介護保険による介護サービス利用額の自己負担額は、1割~3割の間で変動します。

つまり、所得が多い方ほど自己負担額が高くなります。

 

さらに、介護を担うご家族や親族がいない場合も在宅介護が難しくなり、経済的な負担は大きくなります。

 

□介護費用が小さくなるケース

 

一方で、介護費用が小さくなるケースも存在します。

 

それは、要介護度が低い場合です。

自身でできることが増えるため、介護サービスの利用頻度も減り、費用を抑えられる傾向にあります。

 

また、介護を担うご家族や親族にかかる負担も小さく介護時間も減ります。

これにより、介護サービスも在宅介護で行えない部分だけ利用すれば良いので介護費用も抑えられます。

 

□介護費用の自己負担額

 

要介護・要支援度別に公的介護保険サービスを利用することが可能となります。

要介護認定は、要支援1・2または要介護1~5の区分に分かれます。

 

介護保険サービスを利用するためには、要介護認定後に担当のケアマネジャーとケアプランを作成する必要があります。

ケアプランの内容に基づき、介護費用の給付限度額の範囲内でサービスの利用を始めることができます。

 

介護費用の給付限度額は、要支援または要介護の程度に応じて異なります。

区分別に月あたりの給付限度額と自己負担額を表にしてみました。

 

<要支援・要介護度別>※1点10円で換算

介護度給付限度額1割負担額2割負担額3割負担額
要支援150,320円5,032円10,064円15,096円
要支援2105,310円10,531円21,062円31,593円
要介護1167,650円16,765円33,530円50,295円
要介護2197,050円19,705円39,410円59,115円
要介護3270,480円27,048円54,096円81,144円
要介護4309,380円30,938円61,876円92,814円
要介護5362,170円36,217円72,434円108,651円

 

介護保険は点数制で、1点の単価は10円~1,140円となります。

そのため、詳細な費用は地域によって異なるため注意してください。

 

□介護費用準備の現状

 

介護費用の準備をして老後を備えるのが理想的ですが、実際は年金に頼るケースが多いのが現状です。

 

介護費用準備率は1割程度

 

【介護に関する親と子の意識調査2019】アクサ生命実施

上述の調査によると、親の介護に対して「介護費用の準備をしている」と答えた介護経験のない40代、50代の人は10.4%、さらに「介護費用の見積もり」については5.2%でした。

 

この結果からも分かる通り、全体的に介護費用に対する意識が薄く、介護費用準備率は1割程度という結果でした。

 

これに対して、介護の経験をした40代、50代に同じ調査を実施したところ、介護費用準備率は97.2%に上り、介護費用に対する捉え方は介護経験の有無で異なりことが分かります

 

自身の年金受給額を知る

 

介護費用を備えるためには、被介護者自身の年金受給額を知ることが大切になります

 

老齢厚生年金は、厚生年金保険で平均月額は14.6万円、国民年金では5.6万円です。

※ 厚生労働省「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より

実際の受給額を知る場合は、年金振込通知書を確認してください。

 

また、年金で介護を行う場合は、介護費用の自己負担額が年金受給額を上回らないように注意することが大切です。

 

□介護費用を抑えるための対策方法

 

介護費用が高くなると被介護者および家族の経済的な負担に繋がります。

介護費用を抑えるための方法をここでいくつか紹介してきます。

 

ケアプランを適切に作成してもらう

 

先にも述べたとおり、介護保険サービスを利用するためにはケアプランを担当のケアマネジャーに作成してもらう必要があります。

本人や家族の希望を伝えケアプランを作成することが大切です。こちらの要望が伝えられていないと、出来上がったケアプランが理想と違う結果になってしまう可能性があります。

 

そこで大事なのが、ケアマネジャーとのコミュニケーションです。

 

ケアマネジャーとのコミュニケーションをしっかり図ることで、自分にあったサービスを提案してもらい、満足度の高いサービスを受けられ、また、介護費用の抑制にもつながります。

 

費用を抑えられるサービスを利用する

 

「高額介護合算療養費制度」、「高額介護サービス費制度」など経済的負担を軽減するための制度が設けられています。

 

本制度を知っておくことで介護費用を軽減し、経済的負担を抑えることが出来ます。

 

<高額介護合算療養費制度>

1年間の医療保険と介護保険の自己負担額の合算が著しく高額であった場合に自己負担額を軽減する制度です。

申請することによって負担額の一部が払い戻されます。

 

<高額介護サービス費制度>

1ヵ月に支払った利用者負担の合計が負担限度額を超えたときは、超えた分が払い戻される制度です。

 

一般的な所得の方の負担限度額は月額44,400円です。

令和3年8月からは、負担能力に応じた負担を図る観点から、一定年収以上の高所得者世帯について、負担限度額の見直しを行われるそうです。

 

その他、介護費用を抑える制度として「医療費控除」や「介護休業給付金」などがあります。

 

□まとめ 

本記事では、介護費用に対して使用できる制度や自己負担額についてご説明いたしました。まずは、介護費用の内訳を把握しておくことが重要です。

ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

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