介護医療院での給料はどのようなものか気になる方も多いでしょう。
本記事では、介護医療院の給料に加え、仕事内容や働き方について詳しく解説します。
介護医療院とは?
介護医療院の特徴
介護医療院は、医療と介護を一体的に提供する施設です。
医療的なケアが必要な要介護者に対して、医師や看護師による医療ケアと、介護職員による介護サービスを包括的に提供することで、利用者の心身の状態を安定させ、生活の質を高めることを目指しています。
介護医療院は、病院と介護施設の中間に位置する施設として、近年注目されています。従来の病院では、急性期の治療が中心で、退院後の生活への支援は十分ではありませんでした。一方、介護施設では、医療的なケアが不足している場合がありました。介護医療院は、このような課題を解決するために、医療と介護の連携を強化し、利用者が安心して生活できる環境を提供することを目的としています。
出典
厚生労働省
介護医療院とは?
https://www.mhlw.go.jp/kaigoiryouin/about/
介護医療院の成り立ち
介護医療院は、2006年に施行された「介護保険法」の改正によって誕生しました。それまでは、医療と介護はそれぞれ別の制度で運営されており、連携が不足していました。しかし、高齢化社会の進展に伴い、医療と介護の連携の重要性が高まり、介護保険法が改正され、医療と介護を一体的に提供する施設として介護医療院が創設されました。
介護医療院は、病院や介護施設とは異なる独自の制度に基づいて運営されています。医療法と介護保険法の両方に準拠し、医療と介護の専門職が連携して、利用者のニーズに合わせたサービスを提供しています。
介護サービス情報公表システム
どんなサービスがあるの? – 介護医療院https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group26.html
介護医療院と他の施設との違い
介護医療院は、病院や介護施設と比べて、医療と介護の連携が強化されている点が大きな特徴です。具体的には、以下の点が挙げられます。
医師や看護師が常駐している
病院と同様に、医師や看護師が常駐しており、利用者の健康状態を常に把握し、必要な医療ケアを提供することができます。
介護職員が医療的な知識や技術を習得している
介護職員は、医療的な知識や技術を習得しており、利用者の状態に合わせて適切な介護サービスを提供することができます。
医療と介護の連携体制が構築されている
医師、看護師、介護職員が連携して、利用者の状態を共有し、適切なケアプランを作成することができます。
介護医療院は、病院のように急性期の治療を行うことはできませんが、慢性期の疾患や要介護状態にある利用者に対して、医療と介護を一体的に提供することで、利用者の生活の質を高めることを目指しています。
公益財団法人 長寿科学振興財団
介護医療院とは
https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/shisetsu-service/kaigoiryoin.html
介護医療院の仕事内容
介護職の仕事内容
介護医療院の介護職は、利用者の日常生活をサポートする重要な役割を担っています。具体的には、以下の業務を行います。
身体介護:食事、入浴、排泄などの介助
生活援助:掃除、洗濯、調理などの援助
リハビリテーション:機能訓練や運動療法の補助
精神的なケア:利用者の話を聞き、心の支えとなる
医療ケアの補助:医師や看護師の指示のもと、医療的なケアの補助
記録作成:利用者の状態やサービス内容を記録
家族との連携:利用者の家族と連携し、情報共有や相談
介護医療院の介護職は、医療的な知識や技術に加えて、利用者への思いやりやコミュニケーション能力が求められます。利用者の状態を理解し、その人に合ったケアを提供することが重要です。
独立行政法人 福祉医療機構WAMNET
介護医療院
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguideworkplace/jobguide_wkpl78.html
看護職の仕事内容
介護医療院の看護職は、利用者の健康状態を管理し、必要な医療ケアを提供する役割を担っています。具体的には、以下の業務を行います。
健康状態の観察:利用者の体温、脈拍、血圧などのバイタルサインを測定し、健康状態を観察
医療処置:医師の指示のもと、点滴、注射、薬の投与などの医療処置
服薬管理:利用者の薬の管理、服薬の確認
健康指導:利用者や家族に対して、健康に関する指導
介護職員への指導:介護職員に対して、医療的な知識や技術の指導
記録作成:利用者の医療記録の作成
家族との連携:利用者の家族と連携し、情報共有や相談
介護医療院の看護職は、医療的な知識や技術に加えて、コミュニケーション能力やチームワークが求められます。利用者や家族と良好な関係を築き、安心して医療ケアを受けられるようにサポートすることが重要です。
その他のスタッフの役割
介護医療院には、介護職や看護職以外にも、様々なスタッフが働いています。
医師:利用者の健康状態を診断し、治療方針を決定
薬剤師:薬の調剤、服薬指導
理学療法士:運動機能の回復を支援するリハビリテーション
作業療法士:日常生活動作の改善を支援するリハビリテーション
言語聴覚士:言語やコミュニケーション能力の回復を支援するリハビリテーション
栄養士:利用者の栄養状態を管理し、食事の提供
事務職員:施設運営に関する事務処理
清掃員:施設の清掃
これらのスタッフが連携することで、利用者に質の高い医療と介護サービスを提供しています。
介護医療院の給料
給料の概要
介護医療院の給料は、職種、経験年数、勤務地、施設規模などによって異なります。
一般的には、病院や介護施設と比べて、給料水準は高い傾向にあります。これは、介護医療院では、医療的な知識や技術が求められるため、高いスキルを持った人材を確保するために、給料水準を引き上げている施設が多いからです。
介護医療院の平均給料は、以下の通りです。
介護職:月収20万円~25万円
看護職:月収25万円~35万円
医師:月収50万円~80万円
ただし、これはあくまでも平均的な金額であり、実際の給料は、上記の通り、様々な要因によって異なります。
給料の決まり方
介護医療院の給料は、以下の要素によって決まります。
- 職種:介護職、看護職、医師など、職種によって給料は異なります。
- 経験年数:経験年数が多いほど、給料は高くなります。
- 資格:介護福祉士、看護師などの資格を持っていると、給料がアップします。
- 勤務地:都市部では、地方都市と比べて給料が高くなる傾向があります。
- 施設規模:規模が大きい施設では、給料が高くなる傾向があります。
- 勤務時間:夜勤や休日出勤などの勤務時間によって、給料が異なります。
- 業績:施設の業績が好調であれば、給料がアップする可能性があります。
これらの要素を総合的に判断して、給料が決定されます。
その他の手当や福利厚生
介護医療院では、給料以外にも、様々な手当や福利厚生が用意されている場合があります。
- 住宅手当:住宅費の一部を補助
- 家族手当:家族がいる場合に支給
- 通勤手当:通勤費を補助
- 時間外手当:残業代
- 休日手当:休日出勤した場合に支給
- 夜勤手当:夜勤をした場合に支給
- 資格手当:介護福祉士、看護師などの資格を持っている場合に支給
- 昇給:年1回、給料がアップする可能性があります。
- 賞与:年2回、賞与が支給される場合があります。
- 社会保険:健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険に加入
- 退職金制度:退職時に退職金が支給される場合があります。
- 保養施設:従業員向けの保養施設が利用できる場合があります。
- 従業員割引:施設内のサービスを従業員割引で利用できる場合があります。
これらの手当や福利厚生は、施設によって異なりますので、事前に確認することが重要です。
厚生労働省
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04kekka.pdf
介護医療院の勤務形態
シフトの種類
介護医療院の勤務形態は、施設によって異なりますが、一般的には、3交代制や2交代制が採用されています。
3交代制:早番、日勤、遅番の3つのシフトをローテーションで勤務します。
2交代制:日勤と夜勤の2つのシフトをローテーションで勤務します。
シフト制は、利用者の生活リズムに合わせて、24時間体制で介護サービスを提供するために必要です。
勤務時間と休暇制度
介護医療院の勤務時間は、施設によって異なりますが、一般的には、1日8時間勤務が基本です。ただし、夜勤や休日出勤など、勤務時間外の勤務が発生する場合もあります。
休暇制度は、施設によって異なりますが、一般的には、以下の休暇が取得できます。
年次有給休暇:年間に一定日数の有給休暇を取得できます。
慶弔休暇:結婚、出産、忌引などの慶弔事の場合に取得できます。
産前産後休暇:出産前後の休暇を取得できます。
育児休業:子供が生まれた場合に取得できます。
介護休業:家族の介護が必要になった場合に取得できます。
介護医療院では、利用者の生活リズムに合わせて、シフト制で勤務するため、土日祝日も勤務する場合があります。しかし、近年では、ワークライフバランスを重視する施設が増えており、休日取得しやすい環境が整いつつあります。
ワークライフバランス
介護医療院では、利用者の生活リズムに合わせて、シフト制で勤務するため、ワークライフバランスを保つことが難しいと感じる人もいるかもしれません。しかし、近年では、ワークライフバランスを重視する施設が増えており、従業員が働きやすい環境作りに取り組んでいます。
フレックスタイム制:始業時刻や終業時刻を自由に決められる制度
リモートワーク:自宅やサテライトオフィスなどで勤務できる制度
育児休業取得の促進:育児休業取得をしやすい環境作り
介護休業取得の促進:介護休業取得をしやすい環境作り
従業員向けのイベント開催:従業員同士の交流を促進するイベント開催
ストレスチェック:従業員のストレスチェックを実施
これらの取り組みによって、従業員が働きやすい環境作りが進められています。
介護医療院で働くメリット・デメリット
メリット
介護医療院で働くメリットは、以下の点が挙げられます。
- 医療と介護の知識や技術を習得できる:医療と介護の両方の知識や技術を習得することで、幅広いスキルを身につけることができます。
- 利用者との深い関わりを持つことができる:利用者の生活を支えることで、深い人間関係を築くことができます。
- やりがいを感じやすい:利用者の生活の質向上に貢献することで、大きなやりがいを感じることができます。
- 安定した雇用:高齢化社会の進展に伴い、介護医療院の需要は高まっており、安定した雇用が期待できます。
- 給料水準が高い:病院や介護施設と比べて、給料水準が高い傾向にあります。
- 福利厚生が充実している:住宅手当、家族手当、通勤手当などの福利厚生が充実している施設が多いです。
- スキルアップの機会が多い:研修制度が充実しており、スキルアップの機会が多いです。
- チームワークが良い:医療と介護の専門職が連携して、利用者のケアを行っているため、チームワークが良い傾向にあります。
デメリット
介護医療院で働くデメリットは、以下の点が挙げられます。
- 体力的に負担が大きい:利用者の介助やリハビリテーションなど、体力的に負担が大きい業務があります。
- 精神的に負担が大きい:利用者の容態が急変したり、家族とのトラブルが発生したりする場合があり、精神的に負担が大きい場合があります。
- シフト制勤務:シフト制勤務のため、生活リズムが乱れやすい場合があります。
- 夜勤がある:夜勤があるため、睡眠不足になりがちです。
- 休日出勤がある:休日出勤があるため、プライベートの時間を取りにくい場合があります。
- 人手不足:介護医療院では人手不足が深刻なため、残業や休日出勤が多くなる場合があります。
- 待遇面で差がある:施設によって待遇面で差があるため、事前に確認することが重要です。
向いている人の特徴
介護医療院で働くのに向いている人の特徴は、以下の点が挙げられます。
- 医療と介護に興味がある人:医療と介護の両方の知識や技術を学びたい人
- 利用者と深く関わることに喜びを感じられる人:利用者の生活を支えることにやりがいを感じられる人
- 体力的に丈夫な人:体力的に負担が大きい業務をこなせる人
- 精神的に強い人:利用者の容態が急変したり、家族とのトラブルが発生したりした場合でも、冷静に対処できる人
- コミュニケーション能力が高い人:利用者や家族と良好な関係を築ける人
- チームワークを重視する人:チームで協力して仕事をすることを楽しめる人
- 責任感の強い人:利用者の安全と健康に責任を持って仕事ができる人
- 成長意欲の高い人:常に新しい知識や技術を学び続けたい人
これらの特徴を持っている人は、介護医療院で働くのに適していると言えるでしょう。
求人情報
まとめ
介護医療院は、医療と介護を一体的に提供する施設であり、利用者の心身の状態を安定させ、生活の質を高めることを目指しています。介護医療院で働くには、医療と介護の知識や技術、コミュニケーション能力、チームワークなどが求められます。給料水準は、病院や介護施設と比べて高い傾向にありますが、体力的に負担が大きい業務や夜勤など、デメリットも存在します。介護医療院で働くことを検討している方は、メリットとデメリットを理解した上で、自分の適性と照らし合わせて判断することが重要です。
岡山市の介護施設 管理者兼介護職員
現役介護職として現場と管理者を担当
MBA(経営学修士)
PUROPOSE:本気の大人をつなげる
MISSION:居場所と生きがいを作る
VISION:お世話の輪の有る社会を創生
VALUE:医療介護従事者と患者様/ご利用者様の真の幸福を追求する
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