介護施設で働く人の給料に関して、雇用形態や地域、資格別にその差を詳しく解説します。
この記事では、幅広い視点から介護職の給料について検討し、給料アップの方法や将来の見通しもご紹介します。この記事を読んでご自身のライフスタイルと働き方を見直しましょう!
介護施設で働く人の平均月収・年収
常勤の平均月収と年収
介護施設で働く常勤職員の平均月収は、2023年現在、約25万円から35万円程度と言われています。これは、施設の種類や勤務地、経験年数、資格の有無などによって大きく異なります。
例えば、都市部の大規模な介護施設では、経験豊富な介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を持つ職員は、月収35万円を超えることも珍しくありません。一方、地方の小さな施設や、未経験者、資格を持っていない職員の場合、月収25万円に満たないこともあります。
常勤職員の年収は、月収を12ヶ月で掛け合わせた額に、賞与を加えた額になります。賞与は、施設によって異なりますが、年2回支給される場合が多く、1回あたり月収の1~2ヶ月分程度が支給されます。そのため、常勤職員の年収は、約300万円から450万円程度になることが多いです。
ただし、これはあくまでも平均的な金額であり、実際の給与は、上記で述べたような様々な要因によって大きく変動します。
厚生労働省
介護関連職種
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/07/dl/s0704-5e_0002.pdf
非常勤の平均月収と年収
非常勤職員の平均月収は、常勤職員よりも低く、勤務時間や日数によっても大きく異なります。
しかし、2023年度および2024年度はチャンスです!
それは、最低賃金の大幅上昇が有るからです。
介護職と言えば、給料が安いと言われて長い業界でしたが、厚生労働省が本気で給料アップを支援してくださっているお陰で、「処遇改善手当」「最低賃金」の2本立てで時給が急増している注目業界となっています。
例えば、週3日勤務の非常勤職員の場合、(地域にも依りますが)時給930円・940円・950円で働いている方も多くいらっしゃるでしょう。
その月収は8万円から15万円程度になることが多いです。
ここが時給1,000円を超えてくる介護施設・特に病院が増加傾向にあります。
今、所属している施設・病院の時給上昇について先輩・上司に尋ねてみましょう!
夜勤パートの時給
介護施設の夜勤パートの時給は、地域や施設の種類、経験年数、資格の有無などによって異なりますが、一般的には、1,300円から1,500円程度です。
資格を持っている場合は、時給が1,500円から2,000円程度になることも多いです。また、夜勤手当や資格手当などの手当が支給される場合もあります。
こちらも最低賃金の増加に合わせて、連動して給料アップとなる見込みです。介護職にとっては働きやすくなりますね!
介護施設の給料を左右する要因
地域別の給料差
介護施設の給料は、地域によって大きく異なります。一般的に、都市部の方が地方よりも給与水準が高い傾向にあります。これは、都市部の方が生活費が高く、人材獲得競争が激しいことが要因として挙げられます。
例えば、東京都や神奈川県などの大都市圏では、介護福祉士の平均月収が30万円を超えることも珍しくありません。一方、地方都市や農村地域では、平均月収が25万円に満たないこともあります。
地域別の給料差は、施設の種類や勤務時間、経験年数、資格の有無などによっても影響を受けます。しかし、地域によって給与水準が大きく異なることは、介護施設で働く上で重要な要素の一つです。
公益財団法人 長寿科学振興財団
高齢者を支える介護人材不足について
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-shakai-mondai/kaigojinzai-fusoku.html
もっとも大きな給料の差は、施設形態による違い
介護施設の給料は、施設形態によっても異なります。一般的に、病院や老健施設などの医療機関と連携している施設の方が、特別養護老人ホームなどの福祉施設よりも給与水準が高い傾向にあります。
これは、医療機関と連携している施設の方が、より高度な医療ケアや介護サービスを提供しているため、人材に対する要求水準が高く、給与水準も高くなる傾向があるためです。
また、施設の規模によっても給与水準が異なります。一般的に、大規模な施設の方が、小規模な施設よりも給与水準が高い傾向にあります。これは、大規模な施設の方が、より多くの職員を雇用しており、人材獲得競争が激しいことが要因として挙げられます。
施設形態や規模によって給与水準が異なることは、介護施設で働く上で重要な要素の一つです。
同じ仕事量でどのくらい給料が違うのかは、お住まいの地域を条件に入れて、求人サイトで比較してみましょう。
資格の有無による違い
介護施設の給料は、資格の有無によっても大きく異なります。一般的に、資格を持っている方が、持っていない方よりも給与水準が高い傾向にあります。
これは、資格を持っている方が、より専門的な知識や技術を持っているため、人材に対する価値が高く、給与水準も高くなる傾向があるためです。
介護職の資格には、介護福祉士、ケアマネジャー、社会福祉士、精神保健福祉士などがあります。これらの資格を取得することで、給与アップやキャリアアップが期待できます。
資格の有無による給料差は、施設の種類や勤務時間、経験年数などによっても影響を受けます。しかし、資格を持っていることは、介護施設で働く上で大きなアドバンテージとなります。
独立行政法人 福祉医療機構WAMNET
訪問介護員・ホームヘルパー
https://www.int.wam.go.jp/sec/com/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job06.html
介護施設でのキャリアアップと給料
資格取得による給料アップ
介護施設で働く上で、資格取得は給料アップに繋がる有効な手段の一つです。資格を取得することで、より専門的な知識や技術を身につけ、より高度な業務を任せられるようになり、給与アップに繋がる可能性が高まります。
例えば、介護福祉士の資格を取得することで、介護業務の責任者やリーダー的な役割を担うことができ、給与アップが期待できます。また、ケアマネジャーの資格を取得することで、利用者のケアプラン作成や生活支援などの業務を担うことができ、より高い給与水準で働くことができます。
資格取得には、時間や費用がかかりますが、将来的なキャリアアップや給料アップを目指したいと考えている方は、積極的に資格取得に挑戦することをおすすめします。
勤続年数が給料に与える影響
介護施設では、勤続年数が長くなるにつれて、給与がアップする傾向にあります。これは、経験豊富な職員ほど、より高度な業務を任せられるようになり、人材に対する価値が高くなるためです。
そしてなによりも、長く働き続けて欲しいという施設の想いが給料に乗ってくるという「気持ちの反映」が有るのが実情です。
給与以外の突発的な休暇(介護休暇・育児休業など)にも対応してくれる可能性が高まるので、やはり10年以上継続して働ける適した職場を見つけるのが、もっともライフスタイルを安定させる良い方法です。
夜勤手当とその他の手当
介護施設では、夜勤手当や資格手当、残業手当などの手当が支給される場合があります。これらの手当は、施設によって異なりますが、給与アップに繋がる重要な要素の一つです。
夜勤手当は、夜勤勤務に対して支給される手当です。夜勤は、昼間勤務よりも負担が大きいため、夜勤手当が支給されることが多いです。夜勤手当の金額は、施設によって異なりますが、1回あたり数千円から1万円程度が支給されることが多いです。
資格手当は、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格を持っている職員に対して支給される手当です。資格手当の金額は、資格の種類や施設によって異なりますが、月額数千円から1万円程度が支給されることが多いです。
残業手当は、残業勤務に対して支給される手当です。残業手当の金額は、時間外労働時間や施設によって異なりますが、時間外労働時間に応じて計算されます。
介護施設の給料に関する将来の見通し
介護職の給料のアップデート
日本の高齢化社会の進展に伴い、介護職の需要はますます高まると予想されています。そのため、介護職の給与水準は、今後上昇していく可能性が高いと考えられています。
政府は、介護職員の処遇改善を図るため、様々な政策を推進しています。例えば、介護職員処遇改善加算の導入や、介護職員の賃金引き上げのための財政支援などです。これらの政策によって、介護職の給与水準は、今後改善されていくことが期待されます。
既に現在では、一般的なものづくり企業の給料に追いついている場面も多く見受けられます。
例えば、中小企業の課長職と介護施設のケアマネージャー・介護福祉士(主任クラス)が同額の給料を得ていることも多く起きています。
今からは医療介護障がいの分野が、平均よりも少し多く、長く働ける職業となるでしょう。
管理職むけ 給料アップの具体的な施策
介護職の給料アップを実現するためには、施設管理者が取るべき様々な施策が重要です。
まず、介護職員の処遇改善加算の活用を促進し、取得できる加算を見極め、計画的に毎年ランクアップさせて、施設全体の収入を増やすことで、自身を含む職員の給与アップにつなげることが可能であり、非常に重要です。
次に、介護職員の労働時間や労働環境の改善を進めることで、働きがいのある職場環境を整備し、人材の定着率を高めることが重要です。
さらに、介護職員のスキルアップを支援し、会社負担での資格取得を促進することで、人材の質を高め、給与水準の向上につなげることが重要です。
これらの施策を総合的に推進することで、介護職の給与水準は、上げていく事ができるのです。
出展
厚生労働省
「処遇改善加算」の制度が一本化
https://www.mhlw.go.jp/content/001223662.pdf
介護施設で働く上でのよくある質問
介護施設で働くことを検討している方は、様々な疑問や不安を抱えていると思います。ここでは、介護施設で働く上でのよくある質問について、詳しく解説していきます。
Q1.介護の仕事はきついですか?
介護の仕事は、利用者の身体介助や生活支援など、体力的に負担のかかる業務も多いです。また、利用者の様々な状況に対応する必要があり、精神的な負担も大きい場合があります。しかし、利用者の方と向き合い、その人らしい生活を支えることができるやりがいのある仕事でもあります。
Q2.介護の仕事は未経験でも大丈夫ですか?
介護の仕事は、未経験者でもチャレンジしやすい仕事です。多くの施設で、未経験者向けの研修制度が用意されています。また、先輩職員が丁寧に指導してくれるので、安心して仕事に取り組むことができます。
Q3.介護の仕事は将来性がありますか?
日本の高齢化社会の進展に伴い、介護職の需要はますます高まると予想されています。そのため、介護の仕事は、将来性のある仕事と言えます。
Q4.介護の仕事は女性が多いですか?
介護の仕事は、女性が多いイメージがありますが、近年では男性の介護職員も増えています。介護の仕事は、性別に関わらず、誰でも活躍できる仕事です。
Q5.介護の仕事は資格が必要ですか?
介護の仕事をするには、資格は必須ではありません。しかし、資格を持っている方が、より専門的な知識や技術を身につけ、より幅広い業務を任せられるようになり、キャリアアップや給与アップに繋がる可能性が高まります。
Q6.介護の仕事はどんな人が向いていますか?
介護の仕事に向いている人は、利用者の方とコミュニケーションを図ることが好きな人、相手の立場に立って考えることができる人、相手の役に立ちたいという気持ちを持っている人です。
最も重要なのはアンガーマネジメント、つまり怒りをコントロールできるかどうかです。
もしも友人から、「すぐ怒る」「不平不満が多い」「愚痴っぽい」と言われているのであれば、あなたは介護職は向いていないでしょう。
厚生労働省
アンガーマネジメント入門講座~怒りの感情と上手に付き合おう
https://www.roudoukyoku-setsumeikai-hw.mhlw.go.jp/briefings
Q7.介護の仕事は、どんな人が働いていますか?
介護の仕事には、様々な年齢層、様々な経歴の人が働いています。未経験者からベテランまで、幅広い人が活躍しています。
介護施設で働くことは、利用者の方の人生を支える、やりがいのある仕事です。もし、介護の仕事に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。
求人情報
岡山市の介護施設 管理者兼介護職員
現役介護職として現場と管理者を担当
MBA(経営学修士)
PUROPOSE:本気の大人をつなげる
MISSION:居場所と生きがいを作る
VISION:お世話の輪の有る社会を創生
VALUE:医療介護従事者と患者様/ご利用者様の真の幸福を追求する
コメント