老健(介護老人保健施設)で働く介護職員の給料は、多くの人々にとって重要な関心事です。
本記事では、老健での給料の実情や給与アップのための方法、他職場との比較などを詳しく解説します。
老健の給料の現状
老健の平均給与
老健で働く介護職員の平均給与や時給について詳しく見てみましょう。
介護職員の給与は、勤務する施設や地域、経験年数、資格などによって大きく異なります。
例えば全国平均としてみると、老健の常勤(週40時間勤務)であれば約34万円となっています。
非常勤(パート)の場合でも約29万円となっています。
老健で働く介護職員には、より高度な知識や技術が求められ、その分給与も高くなる傾向があります。
これは、施設の経営状況や人材育成への取り組み、福利厚生などが影響していると考えられます。
独立行政法人 福祉医療機構WAMNET
Research Report – 2022 年度 介護老人保健施設の経営状況について
https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/240229_No.013.pdf
他施設との給料比較
特養など他の施設と比較して、老健の給料がどれくらいかをご紹介します。
特養は、介護老人福祉施設の略称で、主に要介護度が高い高齢者を対象とした施設です。
老健と特養は、どちらも介護施設ですが、その役割や提供するサービスが異なります。
特養は、主に介護サービスを提供することを目的としており、医療サービスは提供していません。一方、老健は、医療と介護を一体的に提供することを目的としており、医療サービスも提供しています。そのため、特養の介護職員は、主に介護業務に携わりますが、老健の介護職員は、介護業務に加えて医療的なケアも求められます。
例えば全国平均としてみると、特養の常勤(週40時間勤務)であれば約35万円となっており、あまり差がありません。
非常勤(パート)の場合では約21万円となっており、こちらは大きな差が付いています。
独立行政法人 福祉医療機構WAMNET
介護老人保健施設https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguideworkplace/jobguide_wkpl06.html
給与アップの方法
資格取得によるアップ
取得することで給料に反映される資格について解説します。
介護職員の給与は、資格取得によってアップする可能性があります。介護職員の資格には、介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修などがあります。これらの資格を取得することで、より高度な知識や技術を身につけることができ、給与アップに繋がる可能性があります。
また、資格取得は、キャリアアップにも役立ちます。例えば、介護福祉士を取得することで、施設の管理職や指導者として活躍できるようになります。
厚生労働省
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04kekka.pdf
夜勤シフトの増加
夜勤回数を増やすことでの給料アップの具体例を紹介します。
夜勤は、日勤と比べて手当がつくことが多いです。そのため、夜勤回数を増やすことで、給与アップに繋がる可能性があります。
しかし、夜勤は、身体的にも精神的にも負担が大きいため、無理のない範囲で夜勤回数を増やすようにしましょう。また、夜勤手当は、施設によって金額が異なります。そのため、夜勤手当が高い施設を選ぶことも、給与アップに繋がる方法の一つです。
管理職への昇進
管理職に就くことで得られる給与の増加について説明します。管理職は、介護職員を指導したり、施設の運営を管理したりする役割を担います。管理職になるためには、介護福祉士などの資格を取得したり、実務経験を積んだりする必要があります。
管理職は、一般職員よりも責任が大きいため、給与水準も高くなります。また、管理職は、リーダーシップやコミュニケーション能力、問題解決能力などが求められます。
転職の検討
給料の良い施設への転職を考えた際のポイントを解説します。給与アップを検討する際には、転職も一つの選択肢です。
転職をする際には、給与だけでなく、施設の理念や働きやすさなども考慮することが大切です。転職活動をする際には、転職エージェントを利用することも有効です。
転職エージェントは、求職者の希望条件に合った求人情報を提供してくれるだけでなく、面接対策などもサポートしてくれます。
独立行政法人 福祉医療機構WAMNET
介護職員https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job04.html
給料が高い老健の見つけ方
施設の規模と運営母体の確認
施設形態や運営法人の規模がどのように給料に影響するかを解説します。
老健施設の給与は、施設の規模や運営母体によって異なります。一般的に、規模が大きい施設や、法人規模が大きい施設の方が、給与水準が高い傾向にあります。
これは、規模が大きい施設の方が、経営が安定しているため、従業員に高い給与を支払う余裕があるからです。また、法人規模が大きい施設の方が、人材育成に力を入れている場合が多く、従業員のスキルアップを支援することで、給与水準を高めていると考えられます。
老健は日本全国に4,273か所(2022年10月現在)ございます。その多くが医療法人を母体としていると言われています。転職時は運営母体の大きさも考慮に入れると良いでしょう。
手当と賞与の確認
給料を左右する手当や賞与の内容について詳しく説明します。
老健施設の給与は、基本給に加えて、各種手当や賞与が支給されます。手当には、夜勤手当、休日手当、住宅手当、扶養手当などがあります。賞与は、年2回支給されることが一般的です。手当や賞与は、施設によって金額が異なります。そのため、給与を比較する際には、手当や賞与の内容も確認することが大切です。
転職エージェントの利用
エージェントを活用することで得られるメリットについて解説します。転職エージェントは、求職者の希望条件に合った求人情報を提供してくれるだけでなく、面接対策などもサポートしてくれます。転職エージェントを利用することで、より効率的に転職活動を進めることができます。また、転職エージェントは、求職者にとって有利な条件で転職ができるようにサポートしてくれます。
よくある質問
老健の給料は低いですか?
老健の給料が低いと感じられる理由とその対策について詳しく説明します。老健の給与が低いと感じられる理由は、いくつかあります。一つは、老健施設が、医療と介護を一体的に提供する施設であるため、介護業務に加えて医療的なケアも求められることが多いためです。そのため、介護職員には、より高度な知識や技術が求められ、その分給与も高くなる傾向があります。
しかし、老健施設によっては、他の介護施設と比べて給与水準が高いところもあります。これは、施設の経営状況や人材育成への取り組み、福利厚生などが影響していると考えられます。
しっかりと求人サイトで見比べるのが良いでしょう。
老健の介護職員の仕事内容
老健での主な業務内容とその特徴を解説します。
老健の介護職員は、入居者の日常生活のサポート、医療的なケア、レクリエーションなど、幅広い業務を行います。
具体的には、食事介助、入浴介助、排泄介助、服薬管理、健康状態の観察、リハビリテーションの補助、レクリエーションの企画・実施などです。老健の介護職員は、医療的な知識や技術も必要とされるため、他の介護施設よりも責任が重いと言えます。
老健と特養の働きやすさ
老健と特養の働きやすさの違いについて比較します。老健と特養は、どちらも介護施設ですが、その役割や提供するサービスが異なります。
特養は、主に介護サービスを提供することを目的としており、医療サービスは提供していません。一方、老健は、医療と介護を一体的に提供することを目的としており、医療サービスも提供しています。そのため、特養の介護職員は、主に介護業務に携わりますが、老健の介護職員は、介護業務に加えて医療的なケアも求められます。
このことから、特養の介護職員は、老健の介護職員よりも、医療的な知識や技術が求められないため、働きやすさを感じやすい傾向にあります。しかし、特養の中でも、医療サービスを提供している施設や、介護職員のスキルアップを支援している施設など、働きやすさが異なる場合があります。
公益社団法人日本介護福祉士会
https://www.jaccw.or.jp/
求人情報
まとめ
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「介護職の給料」に関する他の記事や関連情報をご覧ください。老健の給与は、施設や地域、経験年数、資格などによって大きく異なります。そのため、給与アップを目指すには、自分のスキルアップや転職など、様々な方法を検討する必要があります。この記事が、老健で働く介護職員の給与について理解を深める一助となれば幸いです。
公益社団法人 全国老人保健施設協会
https://www.roken.or.jp/
岡山市の介護施設 管理者兼介護職員
現役介護職として現場と管理者を担当
MBA(経営学修士)
PUROPOSE:本気の大人をつなげる
MISSION:居場所と生きがいを作る
VISION:お世話の輪の有る社会を創生
VALUE:医療介護従事者と患者様/ご利用者様の真の幸福を追求する
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