通所リハビリテーション(デイケア)は、通所してリハビリや医療ケアを受ける介護サービスの一種です。
本記事では、通所リハビリの基本的な利用用途や手順、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
通所リハビリテーション(デイケア)を理解する
通所リハビリ(デイケア)とは?
通所リハビリテーションは、高齢者が通所してリハビリや日常生活の支援を受ける施設です。
要介護状態にある高齢者の方々が、自宅での生活を維持したり、より良い生活を送ったりするために、専門的なリハビリテーションや介護サービスを提供しています。デイケアとも呼ばれ、病院や介護施設、地域包括支援センターなどに併設されている場合が多いです。
厚生労働省
通所リハビリテーション(デイケア)
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group8.html
利用する目的
通所リハビリテーションを利用する目的は、大きく分けて二つあります。
一つは、病気や怪我などで身体機能が低下した高齢者が、専門的なリハビリテーションを通して体力や運動能力を回復させ、日常生活動作の自立を支援することです。
もう一つは、要介護状態にある高齢者が、自宅での生活を維持するために、必要な介護サービスや日常生活の支援を受けることです。具体的には、身体機能の維持・向上、認知機能の維持・向上、精神的な安定、社会参加の促進、介護予防などが挙げられます。
対象となる方
通所リハビリテーションの対象となる方は、要支援や要介護認定を受けた高齢者です。具体的には、以下のような方が対象となります。
- 身体機能が低下し、日常生活動作に支障がある方
- 認知機能が低下し、日常生活に支障がある方
- 精神的な不安定さがあり、日常生活に支障がある方
- 介護予防を目的とする方
通所リハビリテーションは、これらの高齢者の方々が、自宅での生活を維持したり、より良い生活を送ったりするために、必要なサポートを提供するサービスです。
通所リハビリで受けられるサービス
専門職によるリハビリと医療ケア
通所リハビリテーションでは、専門のリハビリスタッフによる集団および個別リハビリが提供されます。
リハビリの内容は、個々の利用者の状態やニーズに合わせて、運動療法、作業療法、言語療法、精神療法など、様々なものが用意されています。また、必要に応じて医師による診察や看護師による健康管理なども行われます。
日常生活支援
通所リハビリテーションでは、リハビリ以外にも、日常生活の支援サービスも提供されています。
具体的には、入浴、食事、排泄、着替えなどの介助、レクリエーション活動、食事の提供、送迎サービスなどが挙げられます。これらのサービスは、利用者の状態やニーズに合わせて、必要な範囲で提供されます。
デイケアとデイサービスの違い
デイケアとデイサービスは、どちらも高齢者向けの通所サービスですが、提供されるサービス内容に違いがあります。
デイケアは、リハビリテーションを中心としたサービスであり、医療ケアが充実しています。一方、デイサービスは、日常生活の支援を中心としたサービスであり、リハビリテーションは提供されていません。
デイケアでは、専門のリハビリスタッフによる個別リハビリや集団リハビリが提供され、身体機能の維持・回復を目的としたサービスが中心となります。また、医師による診察や看護師による健康管理なども行われるため、医療的なケアも充実しています。
デイサービスでは、入浴、食事、排泄、着替えなどの介助、レクリエーション活動、食事の提供などが提供されます。身体機能の維持・回復よりも、日常生活の支援を目的としたサービスが中心となります。
どちらのサービスを利用するかは、利用者の状態やニーズによって異なります。身体機能の維持・回復を目的とする場合はデイケア、日常生活の支援を目的とする場合はデイサービスが適しています。
岡山県通所リハビリテーション協議会
通所サービスの紹介
https://okayama-day.care/wp/tsusho/
デイケアの費用と利用の流れ
費用の目安
通所リハビリテーションの費用は、要介護度やサービス内容によって異なります。
基本的には、介護保険の適用を受けます。そのため、利用者は、介護保険で定められた自己負担割合のみを支払えば、サービスを利用することができます。自己負担割合は、要介護度によって異なり、要介護1の場合は1割、要介護2の場合は2割、要介護3の場合は3割、要介護4の場合は4割、要介護5の場合は5割となります。
ただし、介護保険の適用範囲を超えるサービスを利用する場合や、介護保険以外のサービスを利用する場合には、追加料金が発生することがあります。追加料金は、施設によって異なりますので、事前に確認が必要です。
厚生労働省
サービスにかかる利用料
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
利用手順
通所リハビリテーションを利用するためには、まず、要支援または要介護認定を受ける必要があります。
要支援または要介護認定を受けるには、市区町村の介護保険窓口に申請を行い、認定調査を受けます。認定調査では、利用者の身体機能や精神状態、日常生活動作能力などが評価されます。
要支援または要介護認定を受けた後、希望の通所リハビリテーション施設に連絡し、利用の申し込みを行います。施設によっては、見学や体験利用を受け付けているところもありますので、事前に問い合わせてみてください。
厚生労働省
新たに通所リハビリテーションの指定を受けようとする方に
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/rehabilitation.html
手続きに必要な書類
通所リハビリテーションを利用する際には、以下の書類が必要になります。
- 要支援または要介護認定証
- 介護保険被保険者証
- 主治医が作成した診断書
- その他、施設が求める書類
診断書は、主治医に作成を依頼する必要があります。診断書には、利用者の病名や症状、身体機能の状態などが記載されます。
通所リハビリのメリット・デメリット
メリット
通所リハビリテーションには、以下のようなメリットがあります。
- 専門のリハビリスタッフによる個別リハビリや集団リハビリを受けることができるため、身体機能の維持・回復を効果的に行うことができます。
- 日常生活動作の訓練や、認知機能訓練など、自宅では難しい訓練を受けることができます。
- 他の利用者との交流を通して、社会参加の機会を増やすことができます。
- 定期的に通所することで、生活のリズムを整え、心身ともに健康的な状態を維持することができます。
- 介護者の負担を軽減することができます。
通所リハビリテーションは、高齢者が自宅での生活を維持したり、より良い生活を送ったりするために、非常に有効なサービスです。
デメリット
通所リハビリテーションには、以下のようなデメリットもあります。
- 利用するためには、要支援または要介護認定を受ける必要があり、手続きに時間がかかる場合があります。
- 利用料金は、介護保険の自己負担割合によって異なります。
- 個別リハビリの頻度が限られている場合があります。
- 施設によっては、送迎サービスが提供されていない場合があります。
- 利用者の状態によっては、通所が困難な場合があります。
通所リハビリテーションを利用する際には、これらのデメリットも考慮する必要があります。
良い通所リハビリを選ぶためのポイント
施設やスタッフの雰囲気
通所リハビリテーション施設を選ぶ際には、施設やスタッフの雰囲気も重要なポイントです。施設の見学や体験利用を通して、実際に施設の雰囲気やスタッフの対応を確認することが大切です。
施設の雰囲気は、利用者のモチベーションや意欲に大きく影響します。明るく清潔感のある施設は、利用者にとって快適な環境となります。また、スタッフの対応は、利用者の安心感や信頼感に繋がります。親切で丁寧な対応をしてくれるスタッフがいる施設を選ぶことが大切です。
リハビリ設備と環境
通所リハビリテーション施設には、様々なリハビリ設備が備わっています。利用者のニーズや目的に合ったリハビリ設備が整っているかを確認しましょう。
例えば、歩行訓練を行う場合は、歩行訓練用の器具やスペースが十分にあるか、転倒防止対策がしっかりとされているかなどを確認する必要があります。また、認知機能訓練を行う場合は、認知機能訓練用の教材やプログラムが充実しているか、訓練を行うスペースが確保されているかなどを確認する必要があります。
サービス内容の充実度
通所リハビリテーション施設では、リハビリ以外にも、様々なサービスが提供されています。提供されるサービスの内容が、自分のニーズに合っているかを確かめることが大切です。
例えば、入浴や食事の介助、レクリエーション活動、送迎サービスなどが提供されているか、介護者の相談に対応してくれる体制があるかなどを確認する必要があります。
求人情報
まとめ
通所リハビリテーションは、高齢者が適切なリハビリと医療ケアを提供する重要なサービスです。利用前にしっかりと情報を集め、自分に最適な施設を選ぶことが大切です。施設見学や体験利用を通して、施設の雰囲気やスタッフの対応、リハビリ設備、サービス内容などを確認し、安心して利用できる施設を選びましょう。
通所リハビリテーションは、高齢者が自宅での生活を維持したり、より良い生活を送ったりするために、非常に有効なサービスです。適切な通所リハビリテーションを利用することで、高齢者は心身ともに健康的な状態を維持し、充実した生活を送ることができます。
岡山市の介護施設 管理者兼介護職員
現役介護職として現場と管理者を担当
MBA(経営学修士)
PUROPOSE:本気の大人をつなげる
MISSION:居場所と生きがいを作る
VISION:お世話の輪の有る社会を創生
VALUE:医療介護従事者と患者様/ご利用者様の真の幸福を追求する
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