看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、在宅での生活を支援するための複合的なサービスを提供する新しい介護モデルです。
本記事では、看多機のサービス内容や利用方法、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
看護小規模多機能型居宅介護の概要
看護小規模多機能型居宅介護とは?
看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、在宅生活を支える新しい介護サービスモデルで、訪問看護、訪問介護、通所介護、泊まりの4つのサービスを提供します。
看多機は、要介護状態にある高齢者や障がいを持つ方が、自宅で安心して生活できるよう、多岐にわたるサービスを包括的に提供することを目的としています。利用者は、それぞれのニーズに合わせて、必要なサービスを柔軟に選択することができます。
厚生労働省
看護小規模多機能型居宅介護
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091038.html
サービスの詳細
看多機では、訪問看護、訪問介護、通所介護(デイサービス)、短期入所(ショートステイ)といったサービスを一つの事業所で受けることができます。
訪問看護では、医師の指示に基づいた医療的なケアや健康管理、生活指導などが提供されます。訪問介護では、日常生活のサポート、身体介護、生活援助などが提供されます。通所介護では、日中の活動の場を提供し、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを提供します。短期入所では、ご家族の都合や病気、介護疲れなどの際に、一時的に施設に入所して、宿泊を伴う介護サービスを受けることができます。
独立行政法人 福祉医療機構WAMNET
看護小規模多機能型居宅介護
https://www.int.wam.go.jp/sec/com/content/wamnet/pcpub/kaigo/handbook/service/c078-p02-02-Kaigo-07.html
対象者と利用条件
看多機の利用対象者は、要介護認定を受けている高齢者や障がいを持つ方々です。
要介護認定は、市区町村の介護保険窓口で申請することができます。認定の結果、要介護度が認定されると、看多機などの介護サービスを利用することができます。利用を希望される方は、まず地域包括支援センターや担当ケアマネジャーに相談し、利用条件や手続きについて詳しく説明を受けることをお勧めします。
下記は参考価格です。
1割負担の場合ですので、もしも2割負担や3割負担であれば、下記の2倍3倍という金額となります。
このほか食費などが別途必要です。
要介護1 | 12,438円 |
---|---|
要介護2 | 17,403円 |
要介護3 | 24,464円 |
要介護4 | 27,747円 |
要介護5 | 31,386円 |
看護小規模多機能型居宅介護の利点
一貫したサービス提供
看多機では、同じ事業所のスタッフが、訪問看護、訪問介護、通所介護、短期入所といった様々なサービスを提供します。
そのため、利用者は、複数の事業所とやり取りする必要がなく、一貫したケアを受けることができます。また、担当スタッフが利用者の状況を把握しているため、よりきめ細やかな対応が期待できます。
費用の抑制
複数のサービスを一つの事業所で受けられるため、利用者は、それぞれのサービスを個別に契約する場合と比べて、初期費用を抑えることができます。
また、サービス利用の際に発生する交通費や移動時間なども削減できるため、経済的な負担を軽減することができます。
柔軟なサービス利用
看多機は、少人数の利用者に対して、きめ細やかな対応が可能です。
そのため、利用者のライフスタイルやニーズに合わせて、柔軟なサービス提供を行うことができます。例えば、利用者の体調や気分に合わせて、サービス内容や提供時間などを調整することができます。また、利用者同士の交流の機会も設けられており、地域社会とのつながりを維持することもできます。
看護小規模多機能型居宅介護の課題
人数制限
看多機は、施設の規模やスタッフ数などの関係で、一度にサービスを受けられる人数が限られています。
そのため、利用希望者が多い場合には、予約が取りづらくなることがあります。また、利用者のニーズによっては、希望するサービスを受けられない場合もあるかもしれません。
コミュニティの形成
看多機では、利用者同士が同じ施設を利用するため、良好な人間関係を築くことが重要になります。
しかし、利用者の年齢や性格、価値観などが異なるため、全員がスムーズにコミュニティを形成できるわけではありません。利用者同士のコミュニケーションを促進し、良好な関係を築けるよう、施設側も積極的にサポートしていく必要があります。
人材確保の課題
看多機では、医療処置も可能なため、高度なスキルを持つ看護師や介護福祉士などのスタッフの確保が課題となっています。
特に、専門性の高い人材は、需要に対して供給が不足している傾向にあります。人材不足は、サービスの質の低下や、利用者の満足度低下の原因となる可能性もあります。
人材不足が続くと介護品質に影響を及ぼすことも有ります。
サービス利用前に、尋ねてみましょう。
看護小規模多機能型居宅介護の利用方法
相談と申し込み
看多機の利用を希望される方は、まず担当ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、利用条件や手続きについて詳しく説明を受けることをお勧めします。
相談の際には、利用者の状況や希望するサービス内容などを具体的に伝えましょう。相談の結果、看多機が適切なサービスだと判断された場合は、サービス事業者と具体的な契約を進めます。
ケアプランの作成
看多機を利用する際には、ケアマネジャーと共に個別のケアプランを作成します。
ケアプランには、利用者の状況やニーズ、目標、サービス内容などが記載されます。ケアプランは、利用者の状態やニーズに合わせて、定期的に見直されます。
定期的な見直し
看多機では、利用状況や健康状態に応じて、定期的にケアプランの見直しが行われます。見直しの際には、利用者や家族の意見を聞き取り、必要に応じてサービス内容を変更します。また、利用者の状態が悪化した場合は、医師や看護師などの専門職と連携して、適切な対応を行います。
求人情報
まとめ
看護小規模多機能型居宅介護は、在宅生活を支えるための多機能サービスを提供する新しい介護モデルです。看多機では、訪問看護、訪問介護、通所介護、短期入所といった様々なサービスを一つの事業所で受けることができます。
利用者は、それぞれのニーズに合わせて、必要なサービスを柔軟に選択することができます。看多機を利用することで、利用者は自宅で安心して生活を送ることができ、家族も安心して介護を続けることができます。ただし、看多機には、人数制限やコミュニティ形成、人材確保などの課題も存在します。利用に際しては、詳しい情報を確認し、適切なプランを立てることが重要です。
公益財団法人 長寿科学振興財団
看護小規模多機能型居宅介護とは
https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/chiiki-service/fukugogatasabisu.html
岡山市の介護施設 管理者兼介護職員
現役介護職として現場と管理者を担当
MBA(経営学修士)
PUROPOSE:本気の大人をつなげる
MISSION:居場所と生きがいを作る
VISION:お世話の輪の有る社会を創生
VALUE:医療介護従事者と患者様/ご利用者様の真の幸福を追求する
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