介護施設で働く際に重要な「常勤勤務」について、その基本知識や計算方法を解説します。
この記事では、常勤勤務の定義やその意義、計算方法について詳しく説明します。
常勤勤務とは
常勤勤務の定義
常勤勤務とは、一般的に週所定労働時間(通常は週40時間)を満たす労働契約に基づいて、継続的に勤務する雇用形態を指します。
介護職においても、常勤勤務は、施設や事業所における安定的な人材確保、質の高い介護サービス提供、利用者の安心感の向上に大きく貢献しています。
常勤勤務の重要性
介護職における常勤勤務は、利用者にとって、安定した介護サービスの提供を可能にする重要な要素です。
常勤の介護職員は、利用者の状態やニーズを深く理解し、継続的なケアを提供することができます。
また、チームワークを強化し、施設全体の運営を安定させる役割も担っています。
さらに、常勤職員は、研修や資格取得の機会を得やすく、専門性を高めることができます。
これは、利用者への質の高い介護サービスの提供に繋がるだけでなく、介護職全体の専門性向上にも貢献します。
常勤と非常勤の違い
常勤勤務と非常勤勤務は、勤務時間や雇用形態、待遇面で大きな違いがあります。
常勤勤務は、週所定労働時間(通常は週40時間)を満たす労働契約に基づいて、継続的に勤務する雇用形態です。一方、非常勤勤務は、週所定労働時間よりも短い時間勤務する雇用形態です。常勤勤務では、有給休暇や賞与、社会保険などの福利厚生が充実していることが多い一方、非常勤勤務では、これらの福利厚生が制限される場合もあります。
常勤勤務の計算方法
基本手順
常勤勤務の計算方法は、施設や事業所によって異なる場合がありますが、基本的には以下の手順で行われます。
厚生労働省
常勤換算計算シート
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/xls/jyoukin_kansan.xlsx
必要なデータの収集
常勤勤務の計算には、以下のデータが必要です。
1.勤務時間: 1週間の勤務時間、1日の勤務時間、休憩時間などを記録します。
2. 勤務日数: 1週間の勤務日数、1ヶ月の勤務日数を記録します。
3. 休暇:年間の有給休暇取得日数、病気休暇取得日数などを記録します。
4. その他: 出張、研修、会議などの勤務時間外の活動時間を記録します。
常勤と非常勤の合算
常勤勤務の計算では、常勤職員と非常勤職員の勤務時間を合算して、全体的な勤務時間を把握する必要があります。
常勤職員の勤務時間は、週所定労働時間(通常は週40時間)を基準として計算します。
非常勤職員の勤務時間は、週所定労働時間よりも短い時間勤務するため、常勤換算率を用いて常勤勤務時間に換算します。
常勤換算率は、施設や事業所によって異なる場合がありますが、一般的には、1週間の勤務時間が週所定労働時間の半分であれば、常勤換算率は0.5となります。
常勤勤務に関する注意点
有給休暇や出張の取り扱い
有給休暇や出張は、常勤勤務の計算に影響を与える可能性があります。
有給休暇を取得した場合、その期間は勤務時間から除外されます。
出張の場合、出張期間中の勤務時間は、常勤勤務時間に含まれる場合と含まれない場合があります。
施設や事業所の規定に従って、適切に計算する必要があります。
兼務の取り扱い
兼務の職務がある場合、常勤勤務の計算は複雑になることがあります。
兼務の職務が、常勤勤務の職務と同一の職種であれば、兼務の勤務時間も常勤勤務時間に含まれます。
しかし、兼務の職務が、常勤勤務の職務とは異なる職種であれば、兼務の勤務時間は、常勤勤務時間に含まれない場合があります。
施設や事業所の規定に従って、適切に計算する必要があります。
育児休暇の取り扱い
育児休暇を取得する場合は、常勤勤務の計算方法が異なります。
育児休暇を取得している期間は、勤務時間から除外されます。育児休暇の取得期間中は、常勤勤務の計算に影響を与えないように、事前に施設や事業所と相談し、適切な対応策を検討する必要があります。
人員配置基準と常勤勤務
人員配置基準の背景
介護施設や事業所では、利用者の安全確保と質の高い介護サービス提供のために、人員配置基準が定められています。
人員配置基準は、利用者の状態やニーズ、施設の規模などを考慮して、必要な介護職員数を定めたものです。
人員配置基準は、介護保険法や関連法令に基づいて、厚生労働省によって定められています。
介護職の職種別配置基準
介護職の職種別配置基準は、介護福祉士、介護職員初任者研修修了者、看護師、医師など、それぞれの職種ごとに定められています。
それぞれの職種には、それぞれの専門性と役割があり、利用者の状態やニーズに合わせて、適切な人員配置を行う必要があります。
配置基準違反の結果
人員配置基準に違反した場合、利用者の安全が脅かされる可能性があり、行政指導や罰則の対象となる可能性があります。
また、施設や事業所の評判が低下し、利用者や職員のモチベーションが低下する可能性もあります。
そのため、人員配置基準を遵守し、適切な人員配置を行うことが重要です。
厚生労働省
人員配置基準等
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144339.pdf
ICT活用による効率化
ICTの導入
ICT(情報通信技術)の導入は、介護現場の効率化に役立ちます。
ICTを活用することで、業務の効率化、情報共有の促進、人材育成の支援などが可能になります。
例えば、電子カルテシステムの導入により、介護記録の入力や情報共有が効率化され、職員の負担軽減に繋がります。
また、タブレット端末の導入により、利用者の状態やニーズをリアルタイムに把握することが可能となり、より質の高い介護サービスを提供することができます。
夜勤スタッフの配置基準緩和
夜勤スタッフの配置基準は、近年、緩和される傾向にあります。
これは、夜間における利用者の状態やニーズの変化を踏まえ、より柔軟な人員配置を可能にするためです。
夜勤スタッフの配置基準の緩和により、施設や事業所は、夜間の介護体制をより効率的に構築することが可能になります。
特別養護老人ホームなどの夜勤スタッフが優遇される世の中の流れになっています。
募集要項を見る際には、夜勤が何名体制なのか入念に調べましょう!
厚生労働省
令和 3年度介護報酬改定の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001005036.pdf
経団連の提言
経団連は、介護現場の人手不足解消のため、人員配置基準の緩和を提言しています。
経団連は、ICTの活用や介護職員の役割分担など、様々な方法によって、人員配置基準の緩和を実現できると主張しています。
求人情報
まとめ
常勤勤務は、介護職にとって安定した雇用形態であり、利用者にとって質の高い介護サービスの提供を可能にする重要な要素です。
常勤勤務の計算方法や人員配置基準を理解し、適切な人員配置を行うことで、利用者の安全確保と質の高い介護サービス提供を実現することができます。
また、ICTの活用や夜勤スタッフの配置基準の緩和など、様々な方法によって、介護現場の人手不足解消に取り組むことが重要です。
岡山市の介護施設 管理者兼介護職員
現役介護職として現場と管理者を担当
MBA(経営学修士)
PUROPOSE:本気の大人をつなげる
MISSION:居場所と生きがいを作る
VISION:お世話の輪の有る社会を創生
VALUE:医療介護従事者と患者様/ご利用者様の真の幸福を追求する
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