現役介護士が伝える!認定調査とは

親の介護

介護保険を利用する際、最初に必要なことは「認定調査」です。

介護が必要な度合を専門調査員が、聞き取り調査します。

この記事では、認定調査について詳細にお伝えいたします。

認定調査は、急に必要となることも多くございます。

例えば、離れた実家で一人暮らしのお母さまが外出先で転倒・救急搬送され、急遽駆け付けた際に認知症の疑いを感じる場合がございます。

転倒した事を覚えていない事例や、自宅住所が言えない、点滴や注射を極端に嫌ったり拒否する事例で、

ご家族が変貌ぶりに非常に驚くという事例は多く聞かれます。

では、認定調査の必要性を感じた際、どうすればよいのでしょうか。

予め、この記事で予習しておきましょう。

要介護認定とは

まず、要介護認定についてご説明いたします。

専門の認定調査員が、ご自宅(または病室、施設の居室)を訪問してくださいます。

そこで、心身状態についてご本人やご家族から聞き取りで、調査記録を付けます。

ご本人とご家族(場合によっては担当ケアマネジャーや医療担当者も同席)が口頭で回答するだけでよいので、事前準備はそれほど必要ではありません。

要介護認定のあるある話

事前準備といえば、笑い話のようで本当には笑えない話がございます。

今の世代のお年寄りは、非常に高い意識をお持ちです。

すなわち、「人様のお世話になってはいけない、世間にご迷惑をお掛けしてはいけない」という意識が高いという特徴がございます。

その影響で、ついつい認定調査の質問について、「○○ができる、問題ない」と回答してしまいがちです。

その回答のまま調査資料をコンピューター判定に掛けてしまうと、実態とは異なった介護度で認定されてしまうという話が、実は多く聞かれていました。

その結果、必要な介護が全ては受けられず、一部制限されて困るという「笑えない話、あるある話」が発生しておりました。

そこで今では、事前準備としてご家族とご本人で話し合い、

本当にできる事とできない事、不安な事を見極めておく事が多くの書籍・ホームページなどで推奨され、周知されるようになっています。

要介護認定の項目

調査当日、いったい何をどのくらい尋ねられるのでしょうか。

ここに厚生労働省のテキストが記載されたホームページをご紹介しておきます。

厚生労働省 認定調査員テキスト2009改訂版(令和3年4月改訂)

https://www.mhlw.go.jp/content/000819416.pdf

実際には、ご本人の体力的負担も考慮し、1時間前後となる場合も有るのですが

項目としては意外と多く感じられた方もいらっしゃると存じます。

事前に読んでおく必要はございません。

しかしながら、できるかどうか確かめる意味では、ご本人とご家族が一緒に掃除洗濯と料理をしてみる事ができれば良いと感じています。

勿論、各ご家庭や状況において異なりますので、一緒に確認ができる場面とできない場面が有ると存じます。

その為、やはり日常的にご本人とご家族が接しておいて、微妙な変化を感じ取っておく事が重要です。

忙しい現代人にとっては、特に移動制限が有る現在では、とても難しい事ではあります。

また、体調や心身の変化を感じるセンスは、医療介護職員でなければ磨くことが難しい側面もあります。

自立、要介護と要支援の違い

認定調査の結果として、分類される介護度は次のようになります。

自立、要支援、要介護の3分類に分けられ、自立以外であれば要支援1~2と要介護1~5の合計7段階のどれかに認定されます。

参照先 厚生労働省 要介護認定に係る法令 

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/nintei/gaiyo4.html

自立とは

「歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、

かつ、薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態のこと」

要するに、まだ介護サービスなどの支援が必要ない健康な状態です。

この段階では、健康な食事・適切な運動・趣味・地域や家族での役割などなどを楽しみましょう。

介護予防という観点で、地域施設や公民館などのイベントに参加するのも良いことです。

要支援とは

「要支援状態」の定義(法第7条第2項)

 身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について

厚生労働省令で定める期間にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、

又は身体上若しくは精神上の障害があるために厚生労働省令で定める期間にわたり継続して日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態であって、

支援の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要支援状態区分)のいずれかに該当するものをいう。

簡略化して言い換えてみます。

「日常生活が、ほぼ自分で行うことが可能。しかし要介護状態への予防の為に何らかの支援を要する状態のこと」

要するに、多少の支援が必要になり始めた状態です。

できるだけ、この段階でご本人とご家族が将来の希望する生活について、定期的にお話をされる事をお勧めします。

銀行口座・印鑑や書類関連・地元での役割などを「いざという時のために」共有しておきましょう。

要介護とは

「要介護状態」の定義(法第7条第1項)

 身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、

厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、

その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう 

こちらも簡略化して言い換えてみます。

「日常生活上の基本的動作について、自分で行うことが困難であり、何らかの介護を要する状態のこと」

要するに、誰かの介護が必要な状態です。

過去の記事でも取り上げましたが、家族介護は非常に難易度が高くストレスが高まります。

専門職の力を積極的に早い段階から借りて、無理のない介護生活を選択される事をお勧めします。

専門用語ではレスパイトケアと呼ばれます。

つまり、ご家族が一時的に休憩できる社会的機能が重要だという考え方です。

介護離職や介護を理由とした家庭内虐待を早期予防する事が、あなたにとっても社会全体にとっても必要なのです。

認定調査はどのように行われる?

では、ここで要介護認定の制度をお伝えします。

厚生労働省の説明によるので、少々かたい文面になってしまうかも知れません。

少し補足しながらお伝えしてまいります。

参照先 厚生労働省 要介護認定に係る制度の概要

要介護認定に係る制度の概要|厚生労働省
要介護認定に係る制度の概要について紹介しています。

要介護認定に係る制度の概要

要介護認定とは

○介護保険制度では、寝たきりや認知症等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、

家事や身支度等の日常生活に支援が必要であり、特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に、介護サービスを受けることができる。

この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、その中でどの程度かの判定を行うのが要介護認定(要支援認定を含む。以下同じ)であり、

保険者である市町村に設置される介護認定審査会において判定される。

要介護認定は介護サービスの給付額に結びつくことから、その基準については全国一律に客観的に定める。

 要介護認定の流れ

①市町村の認定調査員(指定居宅介護支援事業者等に委託可能)による心身の状況調査(認定調査)及び主治医意見書に基づくコンピューター判定(一次判定)を行う。
②保健・医療・福祉の学識経験者により構成される介護認定審査会により、一次判定結果、主治医意見書等に基づき審査判定(二次判定)を行う。

概要としては、この手順となります。 

なお、この認定は有効期間があり、定期的に見直しされます。

認定調査でよくある困り事

一般的に年齢を重ねれば、徐々に要介護度が進むことは、誰しも理解している筈です。

いつまでも10代の時のように、70代でも走って飛んで歌って踊って…とはできないのです。

しかしながら、ご家族がいつまでも自立した親のイメージを捨てきれず、

介護認定を拒否したり、介護度に納得できずにいらっしゃる場合もございます。

そのような場合、どうすればよいのでしょうか。

やはり、担当ケアマネジャーや担当する市の職員への相談を窓口にしてください。

そして、再度の調査や話し合いを行うという手段もございます。

専門的には、「区分変更」「不服申し立て」と呼ばれます。

この情報をお伝えした上で、大事な事をお伝えします。

この方法では、介護度の変更ができるかも知れません。

しかしながら、ご本人の状況を考慮し、専門職が専門的に判断した内容はほとんどの場合、適切です。

ご家族もご本人も、1回限りの人生です。人生の最後に向けて、誰しもが初めての介護を経験します。

そこでは、怒り・悲しみ・受容・新たな生き方の会得という心理的順番を経験します。

その中で多くの方々が悩み、そして手を差し伸べ、それぞれに最適な医療介護を常に改善しながら提供し続けてきた専門職が、

国の機関として統計的に正しいであろうと判断される根拠を以て、認定されています。

大事なことは、信頼のおける担当ケアマネジャーと、入念に定期的に相談する環境づくりです。

落ち着いて相談できる信頼関係こそが、介護のある生活には重要です。

小さな困り事を、定期的に少しずつ相談する事をお勧めします。

まとめ

この記事では、介護認定が行われる手順や、定義をお伝えいたしました。

繰り返しますが、実際には体調や心身の変化を感じるセンスは、医療介護職員でなければ磨くことが難しいものです。

このセンスを磨いておけば、ご本人もご家族も幸せな介護生活が送れるはずです。

ボランティアでもパート職員でも、地域住民として委員会に参加するという方法でも、関わり方は多種多様にございます。

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