利用者負担割合が違う!意外と知らない介護保険の豆知識

親の介護

皆さんは介護保険の利用者負担割合について、正しく理解できているでしょうか。

介護にかかる費用は、決して安くはありません

将来、介護費用に悩まされないように、今のうちに介護保険について詳しくなっておきましょう。

今回は、岡山の現役介護士が、介護保険の豆知識についてご紹介します。

介護保険の利用者負担割合とは

病院で健康保険証を出すと、多くの方が3割負担で支払っていますね。

つまり、10,000円の治療代の3割に相当する、3,000円を個人が負担しているという事になります。

これは皆さんが経験のある話だと思いますが、実は「医療保険」の負担割合の話なのです。

これが「医療保険」ではなく、「介護保険」になった途端に、急に身近ではなくなってしまうのが、本音だろうと感じています。

そこで、この記事では、介護保険の負担割合についてご説明いたします。

【概要】介護保険の負担割合

まずはざっくりと全体像を記します。

自己負担額は介護保険サービス料の1割が基本
収入と世帯構成によっては、2割負担~3割負担になる

でもご安心ください。

3割負担となる方は、全体の約3%と非常に少ないです。

2割負担となる方も、全体の約9%と、多くは有りません。

つまり、ほとんどの方は1割負担なのです。

(参照先:要介護度別認定者数の推移 – 内閣府)

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg1/301030/shiryou3-2-2.pdf

利用者負担割合の計算方法

では、どのように負担割合が決まっているのでしょうか。

上述した「収入」「世帯構成」によって決まるのですが、具体的に見ていきましょう。

まず、65歳以上の方が世帯に1人いる場合は、こちらをお読みください。

もしも、65歳以上の方が世帯に2人以上いる場合には、もう少し下の記事まで読み飛ばしてください。

【 65歳以上の方が世帯に1人いる場合 】

1割負担の方①:本人の合計所得金額が160万円未満の方

1割負担の方②:本人の年金収入+その他の合計所得金額の合計額が、単身世帯で280万円未満

2割負担の方:本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で年金収入とその他の合計所得が280万以上、

       または本人の合計所得金額が220万円以上で年金収入とその他の合計所得が340万円未満

3割負担の方:本人の年金収入+その他の合計所得金額の合計額が340万円以上

利用者負担割合を簡単に理解する方法

2割負担の方だけ、非常に理解しづらいですよね。

理解を助けるためには、次の順番で考えると良いです。

まず、世の中の9割弱の方は1割負担です。

従って、まず1割負担の項目に該当するかどうか、見極めましょう。

次に、分かりやすい3割負担の項目に該当する「現役世代なみの高所得者」なのかどうか見極めましょう。

最後に、どちらにも該当しなかった場合、2割負担なのだという順番で考えると、非常に分かりやすくなります。

【 65歳以上の方が世帯に2人以上いる場合 】

1割負担の方①:本人の合計所得金額が160万円未満の方

1割負担の方②:本人の合計所得金額が220万円未満で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が346万円未満の方

2割負担の方①:本人の合計所得金額が160万円以上220万円未満で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が346万円以上の方

2割負担の方②:本人の合計所得金額が220万円以上で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が463万円未満の方

3割負担の方:本人の合計所得金額が220万円以上で本人と同一世帯の65歳以上の方の年金収入とその他の合計所得が463万円以上なら3割負担

こちらも上述同様に、まずは、1割負担の項目に該当するかどうか、見極めましょう。

次に、分かりやすい3割負担の項目に該当する「現役世代なみの高所得者」なのかどうか見極めましょう。

最後に、どちらにも該当しなかった場合、2割負担なのだという順番で考えると、非常に分かりやすくなります。

在宅介護サービス別の負担額はいくら

ご自宅で在宅サービスを受ける際の、サービス別の負担額を見て、

どれがご家族・ご本人の希望に沿うかを予め考えておく事もお勧めです。

ではまず、よくあるパターンとして、ご自宅にヘルパーが来てくれるサービスからご紹介します。

訪問介護

訪問介護は、ヘルパーが利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供します

自己負担額は身体介護の内容と、生活援助の内容で多少異なります。

(本人1割負担で記載します。)

厚生労働省「介護報酬の算定構造(令和3年4月施行版)

https://www.mhlw.go.jp/content/000775911.pdf

身体介護が中心であれば

20分未満の場合 167円

20分以上30分未満の場合 250円

30分以上1時間未満の場合 396円

1時間以上の場合 579円

生活援助が中心であれば

20分以上45分未満の場合 183円

45分以上の場合 225円

通院などのための乗車または降車の介助が中心であれば

1回 99円

※利用時間と、およその自己負担額(円/1回につき)(※1単位10円の地域で算出)

次に、在宅医療について見ていきましょう。

訪問看護

訪問看護は、自宅での療養生活をサポートするものです。

医師の指示に基づくという点や、年齢や状態により、介護保険か医療保険のどちらかが適用されるという点が特徴です。

指定訪問看護ステーション利用の場合

20分未満の場合 313円

20分以上30分未満の場合 470円

30分以上1時間未満の場合 821円

1時間以上1時間30分未満の場合 1,125円

病院または診療所による訪問看護のご利用の場合

20分未満の場合 265円

20分以上30分未満の場合 398円

30分以上1時間未満の場合 573円

1時間以上1時間30分未満の場合 579円

では、最後にリハビリについても見ておきましょう。

ここが要介護度を落とさず、健康維持に重要です。

リハビリをご希望される場合、ケアマネージャーにしっかりと伝えましょう。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションは、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職が、自宅に来てリハビリをしてくださいます。

利用できるのは要介護認定を受けているか主治医が必要と診断した場合という条件付きですが、

ケアマネージャーを通して主治医に相談してどんどん活用しましょう。

訪問リハビリテーションのご利用の場合

訪問リハビリの利用頻度は、1回20分・週6回以内が限度

1回 307円

ここまでの在宅での医療介護サービスをご覧になって、いかがでしょうか。

意外と1回あたりは安いとお感じになられた方も多いかと存じます。

介護保険を使用して、本人1割負担であればお得感も有る価格です。

1か月の総金額を安く押さえたい場合、かつ、ご本人が在宅で過ごせる介護度であれば慣れ親しんだご自宅をリフォームしながら生活される方が多いです。

そして将来、介護度が上がり、ご本人がご自宅では生活が困難になる一歩手前で介護施設に入居準備を始められる方が多いです。

その一歩手前では、ご自宅での転倒・骨折・入院という事例が多いので、

ご家族といつでも連絡が取れるような携帯電話や見守りサービス、日常的な会話を心がけておく事が重要です。

さて、ご自宅での医療介護サービスを3種類(訪問介護/訪看/リハビリ)見てきましたが、

以下では介護施設3種類(特養/老人ホーム/グループホーム)での自己負担額を見ていきます。

ここでも、上記同様に「本人1割負担」で記載します。

施設介護サービス別の負担額はいくら

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホーム(特養)は、原則として要介護3以上の方が入居できる施設です。

費用負担が総合的には安く、人気で、たいていの場合は順番待ちとなります。

但し、大規模施設となると、ごく一部では流れ作業のような介護になりがちです。

働く職員も常にナースコール対応に追われるという施設も有るので、入居前に見学される事をお勧めします。

勿論、優秀で素晴らしい介護施設の方が多数派です。

ここでは、ユニット型で1か月の金額をご説明します。(従来型は更に1割ほど安価です)

ユニット型 自己負担額(円)/30日

要介護1 1万9,560円

要介護2 2万1,600円

要介護3 2万1,360円

要介護4 2万5,860円

要介護5 2万7,870円

特定施設(有料老人ホーム・サ高住など)

次の4つを特定施設と呼んでいます。

介護付き有料老人ホーム

サービス付き高齢者向け住宅(一部に限定)

ケアハウス(軽費老人ホーム)

養護老人ホーム

但し、要支援1~2を実質受け入れていない施設や、サービス内容が施設毎に異なります。

ご自宅から最初の入居でこの特定施設に入居し、同時に特養にも申し込んでおいて、順番が来たら引っ越しされるという使い方をされる場合もございます。

予め、入居時にその希望を伝えておいた方が、後々のトラブル予防になりますのでお勧めです。

では、1か月の介護保険の金額をご説明します。

家賃などの介護保険外は計算から除かれています。

(但し、注意点として食事・消耗品・サービスは施設毎に異なります。

単純比較が難しい部類です。担当ケアマネージャーに「1か月の総合金額を教えて」とお伝えする事をお勧めします。)

自己負担額(円)/30日

要支援1 5,460円

要支援2 9,330円

要介護1 1万6,140円

要介護2 1万8,120円

要介護3 2万220円

要介護4 2万2,140円

要介護5 2万4,210円

グループホーム

最後に、認知症ではあるが、ご本人が生活に関する能力を維持されている場合に人気のグループホームについて記載します。

最も特徴的で、ご家族が知りたい情報としては、上記の特定施設(4種類)よりも少し安価だという事です。

ここもまた、ご自宅からグループホームに入居し、有料老人ホームや特養に引っ越しするまでの期間を過ごすという使い方をされる場合もございます。

なお、グループホームは、要支援2もしくは要介護1以上が対象です

認知症の方を対象とした施設となります。

入居後は、施設職員から生活支援や機能訓練などのサービスを受けながら、最大9人のユニットで共同生活を送ります。

ご本人が共同生活が向いていない、好きでない場合が有りますので、やはり施設見学は重要です。

自己負担額(円)/30日

要支援2 2万2,800円

要介護1 2万2,920円

要介護2 2万4,000円

要介護3 2万4,690円

要介護4 2万5,200円

要介護5 2万5,740円

まとめ

この記事では、自己負担額(1割~3割)についてお伝えいたしました。

介護保険を利用する安価な在宅サービスや、入居する施設でのサービスを比較しました。

最も重要な事は、担当のケアマネージャーにご希望を伝え、在宅~利用/入居に関して、施設見学を行う事です。

最後の看取りの事までは、ご家族で最初から話し合えるものではございません。

徐々に、変化していくご本人とご家族の心情に寄り添えるケアマネージャー・職員がいる施設を探すためには、やはり施設見学が最も有効です。

また、実際に働いている職員から、今までの介護事例を聞くことも有効でしょう。

「介護は突然やってくる」ものなのですが、私たちはできるだけ事前準備をお勧めしています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました